
大分市を拠点に、注文住宅の建築、リフォームを承っております、有限会社シュトウ建築です。
注文住宅を建てる際は間取りや日当たりなど、気になるものは多いですが、耐震性もやはり外せませんね。
現在のお家は2000年の新しい耐震基準に沿って建てられることから、昔ながらのお家よりも高い耐震性があります。
とはいえ、2024年の能登半島地震や2016年の熊本地震を考えると、できるなら地震に強い家のほうがいい、と思うのも自然なことです。
今回は耐震性の指標になる耐震等級の概要と、メリット・デメリット、そして地震に強い家にするための工夫についてご紹介いたします。
ぜひ参考にしてみてください。
■ 耐震等級とは?

2000年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、「住宅性能表示制度」がつくられました。
この制度のなかで耐震性能を示すものが、耐震等級です。
耐震等級は1~3と3段階あり、すべての家にあるものではなく、建てる際に任意で選び、取得できます。
第三者住宅性能評価機関による審査を設計の段階から行い、完工後に再度検査を行って評価されれば、認定を受けられます。
認定を受けないと耐震性のないお家になってしまうのかというと、そうではありません。
とくに申請をしなくても、標準的な耐震性、「耐震基準」を備えたお家が建てられます。
これは耐震等級1と同じ耐震性に相当するため、震度の高い地震でもある程度倒壊を免れる強さです。
ただし、申請を出さない限り「耐震等級1」の認定を受けることはありません。
■ 耐震等級ごとの違いについて

耐震等級の違いについて、表でまとめました。
これらの等級はご自身で選ぶことができます。
| 等級 | 耐震等級1 | 耐震等級2 | 耐震等級3 | 
|---|---|---|---|
| 強さ | 耐震基準相当 | 耐震等級1の1.25倍 | 耐震等級1の1.5倍 | 
| 耐久性 | 震度6強だと損傷は受けるが耐えられる | 避難所として使用される公共施設で求められる強さ | 警察署・消防署などの防災拠点に求められる強さ | 
■ 耐震等級のある家のメリットとは?

・地震によるダメージが少ない
耐震等級が高いと、やはり地震によるダメージを低減できます。
耐震等級1だと、大きな地震で倒壊・崩落はある程度防げますが、今後も住めるかどうかは難しいといえます。本震に耐えられても余震の大きさや回数によっては倒壊のリスクがあるでしょう。
地震によってライフラインが止まることはあっても、変わらず生活を続けられるメリットがあります。
・住宅ローンで金利が下がることも
耐震等級が高い場合、低い金利で住宅ローンを組めることもあります。
地震によってもたらされる損害が少なく、倒壊する懸念が低いためです。
金利が低いほかにも、ローン審査が通りやすく、金利が低いので返済期間も短くなる可能性が高いです。
・売却査定額が高い
耐震性のある家として認定を受けているため、万一家を手放すことになっても、その安全性の高さから売却額を評価される傾向があります。
地震に強い家を探している方には、大きな好材料になるでしょう。
・地震保険が割引される
地震保険とは、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没または流失による被害を補償する保険です。
耐震等級が高いと地震による損害を抑えられるため、普段支払う保険料が割り引かれます。
割引率は耐震等級3だと50%、耐震等級2なら30%、耐震等級1なら10%です。
■ デメリットは?

・建築費用が高い
耐震性を高くしようとすると、構造や資材に強度を求められるため、通常よりも材料費や設計費などが高くなります。
ほかにも、第三者機関に評価を依頼するにあたり10~15万円がかかるため、地震保険が割引されるといってもお得になるとは限りません。
・工事期間が長くなる
1を除いた各耐震等級の条件を満たすためには、構造計算を行う必要があります。
設計に構造計算という手間が加わることから、通常よりも2~4週間ほど時間を要し、審査にも約3週間かかるでしょう。
完工後も検査に時間がかかり、希望する時期の引渡しにはならないかもしれません。
・間取り設計に制限がかかる
地震に強くするにあたり、間取り設計に制限がかかる場合があります。
広いリビングが欲しい、大きな窓が欲しいと思っても、NGが出る可能性は高いです。
自由度の高い間取り設計が注文住宅の醍醐味でもあるので、そちらを優先したい場合は考え直してもいいかもしれません。
■ 耐震等級が低くても地震に強い家の特徴

耐震等級が低くても、あるいは高くてもより地震に強くするには、以下のポイントを取り入れると効果的です。
・構造がシンプル
建物を上から見たときに、正方形・長方形となっているようなシンプルな形状だと、耐震性が高いです。
逆に複雑な形状になっていると、継ぎ目が増えて力の分散が不均等になり、損壊するリスクが高まります。
とくに2階部分が飛び出ていたり、L字・コの字の形状だったりすると、その傾向が強まります。
・屋根が軽量
日本瓦などは重量があるため、建物に対して負荷をかけ、地震で揺れると揺れ幅が大きくしてしまいます。
現在はどの屋根材も軽量化が進んでいますが、より軽い屋根材にしたいときは金属屋根、ケイミューの「ルーガ」といった災害に強い屋根がおすすめです。
・窓が少ない
耐震性を高めるには耐力壁を入れないといけませんが、窓=開口部が多いと入れられるスペースが少なくなります。
間仕切り壁を増やすなど、別の方法で耐震性を保つこともできますが、できれば1階部分は窓が少ないほうがいいかもしれません。
なお、現在は気密性を重視する傾向から、窓の少ない設計の家が増えています。
■ 大分県で注文住宅を建てるなら「有限会社シュトウ建築」にお任せ!

有限会社シュトウ建築では、30年以上のキャリアを持つ大工が注文住宅を施工します。
二級建築士の資格もございますので、お客様のご要望をお応えしながら、快適で住みやすいお家をご提案。
もちろん、各耐震等級に対応した設計も可能です。
大分県にて注文住宅を検討されておりましたら、ぜひお話をお聞かせください。
お問い合わせは、お電話・メールフォームより承っております。
ご相談・お見積り、お待ちしております。
5月にモデルハウスを建てました。
家事動線・生活動線を考慮した、使い勝手のいい木造平屋です。
ブログに詳細をまとめておりますので、気になりましたらぜひ参考にしてみてください!
■ まとめ
耐震等級とは、耐震性を第三者機関が評価し、認定する指標のひとつです。
等級が高いほど地震に対する損害が低いとされることから、住宅ローンなどで優遇されるなどのメリットがあります。
ただし、構造計算や申請手続きなど、通常の建物よりも手間が増えるため、費用面などで負担が増えます。


